Redditに本人降臨したMura Masaの発言まとめ(和訳)

Mura MasaRedditに降臨してファンからの質問およそ50個に回答していたので全訳しました。10000字くらいあります。新譜『Damon Time』を聞きながらどうぞ。

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前置き

FUJIROCKで来日したMura Masaのインタビューを予定していた方が急病にかかり、突如代打が回ってきたので下の記事の取材・構成を担当することになった。ム……ムラ?ム、ムマ、マメッ!?(驚きと慄き)

そんなこんなで取材1時間半前に原宿に到着して、ゆーて暇なので無意味に竹下通りを往復しては汗だくになってから現場に臨むと、氏は終始穏やかな笑顔で対応してくれたし、5分もすれば緊張は解けていたように思う。さすがにソニックのポーズを真似してくれた時は和んだ(fnmnl記事参照)。

さて本題であるが、その後原稿の構成をしながらMura Masaについて調べていたところ、どうやら2021年の12月頃、英語圏掲示板サイト「Reddit」に本人が降臨していたのだと知った。タイミングとしては「2gether」のリリースから約1ヶ月、アルバムのリリースに向けて準備を整えている段階だろう。日本語圏(というか自分のいる界隈)ではほとんど話題にならなかったように思う。

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覗いてみると「やあ、Mura Masaa.k.a.xander)です(▰˘◡˘▰) 。質問ある?」という陽気なタイトルで始まり、その後なが〜いスレッドでファンからの大量の質問が寄せられている。無論全てに答えているわけではないが、質問の内容は制作の具体的な手法やおすすめのプラグイン、香水、ファッションブランド……などなど多岐にわたる。中にはクリティカルな質問もあり、「それはおれが聞きたかった!」と悔しく思うものもある。

まあ、本来なら取材前にこのポストをチェックしていて然るべきなんだが、先述の事情で時間的猶予がなかったので……という言い訳がましい職業倫理的懺悔を供養するべく、Mura Masaが回答した質問とその発言を和訳し、ここに掲載しようと思う。

ネットの野良インタビュアーの鋭く無節操な質問に、ミームを貼りつつユーモラスな語り口で応答するMura Masaそのシチュエーションだけで十分面白いが、内容そのものも非常に興味深いものになっている。

本稿はRedditで時系列順にソートしたものをほどほどに訳したのみである。ブログの末尾に索引として目次を付けたので活用してほしい(本当はカテゴリ分けなどできればよかったが、骨が折れるのでやめた)。

※なお当記事は個人的な活動ですので、もし何か問題があればnamahogeまでTwitterのDMかメールでご連絡ください。

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ちなみにMura Masaプロフィール画像カウボーイビバップのキャプチャーを使っている。なぜこのシーン?

訳文

やあ、Mura Masaa.k.a.xander)です(▰˘◡˘▰) 。質問ある?

やあMuraだよ(これはできたてホヤホヤの捨て垢)。ほんとだよ。*1

ちょうどリリースしたばかりのニューシングル「2gether」はこちらからどうぞ。

muramasa.lnk.to

なんでも聞いていいよ。音楽、古い音楽、新しい音楽、生活、憂鬱になること、変な本、香水、服。

ベストクエスチョンはインスタに掲載するよ |:">

Q&A

調子はどう?

Mura:正直、超高まってるよ

「Jesuschrist」ってプロデューサータグはなんなの?*2

Mura:ヤバい音楽を聴くといつも口に出してしまうので、デカくて汚いタグという形で不滅の存在にしたよ。毎回笑わせてくれるんだ。

どうしてPinkPantheressとコラボしたの?

Mura:彼女は小さな天才で、素晴らしいソングライターでリリシストだよね。多くの人にとってもそうだろうと確信しているけど、ぼくにとって創造的なミューズなんだ。ほかにもいろいろやってるから早くリリースしたいね。

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ほかのコラボについても教えてよ

Mura:https://www.youtube.com/watch?v=IuRC3HEJ71M

www.youtube.com
*3

お気に入りのシンセは?

Mura:デイブ・スミスのProphet 5*4

サウンドや楽器の選択はどのように行っている?作曲のプロセスの中で選択するのか、それとも決まったアイデアを実行しているのか。

Mura:これはいい質問で、たぶん、ぼくが制作全般で気に入っていることになっているよ。思うに、キュレーター的な思考は非常に重要で。エレクトロニック・ミュージックでできることってたくさんあるけれど、サウンドの美学に注目することこそが重要なんだ。

この考えを説明する方法はいろいろあるけど、よく頭に浮かぶいくつかの重要なことは次のとおり。

  •  アクースマティックな音と非アクースマティックな音を理解し、並置すること*5。僕の音楽の特徴の1つは、現実の音と合成音を並置することで生々しい感覚を得られることだと思う。ある音はリアルで馴染みがあって、ある音は正体不明であるという感覚が僕は好きなんだ。
  • 次のアルバムでは新たな試みとして、事前にサウンドのパレットを作成している。この美学に落ち着いてからホントに楽しくなっちゃって、ドラム、シンセプリセット、サンプルのフォルダーを作るのに多くの時間を費やしたんだ。基本的には画家がキャンバスに向きあう前にいくつもの色を混ぜ合わせるようなもの。これはすごく実用的な方法で、たとえば、制作中にクラップ音が必要になっても、既に5~6個のサンプルに限られている──このアルバムのために選んだものがね。間違いなくサウンドに集中するのに役立つよ。それに3000個のキック一覧をフリックする必要がないから制作のプロセスが高速化されるし、プロセスの中でもクリエイティブな部分に取り掛かることができるよ、haha
  •  正直、たくさんの新しい音楽を聴くことが審美眼を鍛えるのに役立つと思う。自分が関わるところの範囲を広げていけば、どんなもののどんなところが好きなのか分かるし、そのピースを作品に取り入れることができるんだ。

<3

人に見つからなかった名サンプルを教えてよ

Mura:https://www.youtube.com/watch?v=IuRC3HEJ71M

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『Soundtrack To A Death』以来のファンだよ。一体どうやって「…Girl」を作ったんだ? マスターピース!!!

Mura:カレッジの寮のベッドルームにある小さなMIDIピアノで作ったんだと思う。あと、Evil Needleのドラムのサンプルもたくさん使ったと思う、haha

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Slowthaiとまた一緒に仕事をする予定は?

Mura:ホントにちょうどfacetimeが来たところだったんだよ、後でかけ直さないとね、ハハ。ハードディスクにはとんでもない量のMuraThai(原文ママ)があるし、時期がくれば日の目を見るんじゃないかな。

今まで作った曲の中で一番好きな曲、好きな街はどこですか?

Mura:制作が楽しかった曲:シングルプラグのように聞こえるけど(?)、「2gether」を作るのが本当に好きだったね。好きな都市はいつもロンドンだけど、バルセロナのPrimaveraは最高だったよ。あのフェスをみんなに推したいね。

次のプロジェクトに期待できることって何?

Mura:たくさんの楽しみ、たくさんの仕掛け、たくさんのデーモン・エネルギーがあるよ

やあ、どんな靴を履いてるの?

Mura:ボッテガの白いラバースリッパ

先生、こんばんは。何のコロンを買えばいいですか?

Mura:Gabar no.II , 19-69 Chronic, Tom Ford Tuscan Leather.

WFGの商品デザインをまたやってくれますか?*6

Mura:WFGはToothgrinder Pressのために多くのシックな仕事をやってるよ。彼はStone Islandでも働いているので、もし新しいStoneyをチェックしているならば、WFGを履くことになるよ!

ベスト・ギルティプレジャー映画を教えてよ

Mura:別にギルティじゃないけど、ついつい「パイレーツ・オブ・カリビアン」の2作目に手を出してしまうね

お気に入りの音楽プロデューサーは誰ですか? また一番よく使うプラグインは何ですか?

Mura:僕が好きなのは、Elysia Crampton、KAVARI、Evil Gianne、Oli XL。挙げればきりがないけどね。一番使ってるプラグインはぶっちゃけEchoboy ;]

あなたはホントに多才な人だけど、作曲、プロデュース、ミキシング、マスタリング、アートワークのデザイン、そしてライブの準備など、どのように進めているのでしょうか? どの程度自分でOKを出して、どのタイミングで仕事を任せるのでしょう?

Mura:そうそう、全部を自分でやっちゃうと頭痛がするんだよ、ハハ。でもすべての仕事に作家的な仕上がりを求めているなら、代償として払う必要のあるものなんだ。誰かに任せるのはいいことだしぼくはそれをより良くしたいから、人がプロジェクトに何をもたらしてくれるか見極めて、その人のセンスと実行力を信じるっていうことを主にしている。適材適所ってやつだね

Alex Gと一緒に曲を作らない?

Mura:それは最高すぎ

今日の朝食は?

Mura:big coffee

「2gether」のボーカルって誰?

Mura:Gretel Hänlyn。彼はヤバいよ

グラミー賞に行った感想は?

Mura:グラミーは楽しかったな。スーツを着るのも好きなんだ

最近、信じられないほど嬉しかったことは何ですか?

Mura:これは老人のたわごとじゃが、最近買った新しいランプが見るたびに笑顔になれるんじゃ。Tobia ScarpaのFantasmaというやつじゃ。

サンプルパックを使用することと、自分でサンプルをデザインすることのどっちが多い? あと、ラップトップを使ってたと思うけど、最近ハードウェアに興味ある?

Mura:どっちもかな。 簡単に言うと、ドラムはサンプルパックがほとんどで、メロディーやベース用に自作のサンプル、それにテクスチャー用に両方をミックスしたものがあるよ。

基本的にはまだラップトップを使ってるけど、最近はKorgのDFAMで遊んでるよ。でも、時間がたっぷり取れるようになるまではモジュラー生活を本格的に始める気はないんだ。だから今の僕にはセミモジュラーが合ってるね。

『Soundtrack to a death』の頃からのファンさ。プロデューサーとしてキャリアを始めたばかりの人になにかアドバイスはあるかい?

Mura:本当に好きなものを作って出せばいい。それがすべての人の原点だし、一流と呼ばれる人たちが常に目指しているところなんだ。

コーチェラ出るよね?

Mura:https://www.youtube.com/watch?v=IuRC3HEJ71M 

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あなたの制作過程で最も型破りな工程は?

Mura:よく変だと言われるのは、ミキシングやトラックレイアウトの方法だね。たとえば、ぼくの曲は最大でも20トラックくらいしかない。100トラック以上ある人の話を聞くとぞっとするよね。ミニマリズム!少ないもので多くを行い、曲のためにならないものは取り除く。

音楽を作る気が起きない時、また何かを作らなければならないという罪悪感がある時、アウトプットがあまりに酷い時って、どうしたらいいのでしょう。私は、自分の音楽的スキルが低すぎるかもしれんとか、あらゆる不安を抱えているんだ

Mura:正直超わかるよ。ぼくも6ヶ月ほど音楽を作る気すら起きない時期があるんだ(だからアルバムを作るのにいつも2,3年かかっちゃうのさ、haha)

僕にとって本当に役に立ったことの一つは、純粋に、正真正銘に、音楽から離れるということ。音楽を聴かない、作らないことで、「なにか素晴らしいものを作らなきゃ」っていうプレッシャーから解放されて一息つけるよ。するといつの間にか、本当に感動的な何かを聞いて、そして正しい動機からリスタートできると思うよ──つまり義務感じゃなくて、楽しさとスリルのためにね。

だから、自分に甘くしちゃおう。いいものっていうのはリラックスしてる時に生まれるもので、「生産性=good」っていう神話はぜんぜん変な話。

「Lotus Eater」がこれほどまでに人気になるとはリリースした頃には想像もつかなかったんじゃないですか? この曲って定期的にフェスやライブでやってるのを聞く気がするよ。

Mura:一切想像もしなかったよ。フルートを使ったヒップホップ・スタイルの音楽ってあんまなかったからやってみようと。けどもはやユビキタスになってるから、今となってはバカみたいな話さ、ハハ。この曲に対するみんなのリアクションが好きなんだよね。

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最近の生活はどう? 創作活動に役立つような特筆すべきことがあれば教えてよ。あと精神的に助けになったことも。あと……いつか「Was It Worth It?」をリリースしてほしいんだ。何年経っても心に響いているよ:)

Mura:ここ数年はとても不安になって、何かを変えなきゃと決意したんだ。認知行動療法のセラピーを受けることから始めて、その後は一つずつ精神的に楽になるようなことをやっていった。

睡眠を改善して(これはマジ重要)、食事量を少し増やして定期的に食べたり、運動を始めたり(実際、運動って脳の化学的性質を変化させるからヤバいよ)、もっと友達と連絡を取ったり、もっと定期的に他の人と過ごしたり。 

でも正直なところ、まだ精神的に疲れ果てていたから抗うつ剤を服用することにして、人生を大きく変えたんだよ。基本的に僕のすべての決断や行動って、不安によって決定されていたんだ。

これを読んでる人に言いたいんだけど、物事がうまくいかないと感じている場合、手を差し出して、何かしらの変化を起こしてみて。ぼくは人生がこんなに楽しいものだとは思わなかったよ。普通の人がこうやって冷静に歩いているのが不思議なくらい、haha.

P.S.「Was It Worth It」はおそらくリリースされないよ……でもあなたが大好きでいてくれるのは最高だよ

創作の過程について、意識的に新しいサウンドの音楽を作ろうとしているのでしょうか? それとももっと本能的に? 別の言い方をすると、作曲する工程ですぐに新しいサウンドや音の組み合わせを発見しているのか、それとも試行錯誤を繰り返して見つけているのか。私もプロデューサーだから聞いてみたい!

Mura:<3 いい質問です。 

Mura Masaというプロジェクトはおそらく先進的でキュレーター的な音楽だと思う。だからその定義は常に変化していなければならなくて、それは刺激的なうえ困難もある。ふだん、アルバムをリリースした後はなが〜〜〜い時間をかけて──多くの実験を行い、新しいアーティストを聴き、カルチャーやその時々の刺激的で興味深いものに耳を傾け続けることで──次のコンセプトが導き出せるんだ。

けど、そのように自然な流れで何かにたどり着くと、残りのクリエイティブに拍車がかかる。とてもうまく働く。別の回答でも言及したけど、今回は作曲の前にパレットを作っているよ。ヴィジョンに合ったサウンドを手に入れて、作って、収集して、インスピレーションが湧いたときに利用できるすべてのツール/美学を揃えている。アートワークや写真といったビジュアル面でも同じような流れかな。

お気に入りのSpliceのサンプルパックは?

Mura:もちろん、SOPHIEさ*7

[削除された質問]*8

Mura:<3

う〜〜〜〜〜〜ん、実際、僕が使ってるのはAbletonの純正品が多いからがっかりさせちゃう答えになってるかも。

でも最近はArturiaのものをよく使っていて、微調整のできるクラシックなサウンドがすべて揃っているから、買う価値はあるよ。

ナードな質問です。「in my mind」の冒頭の超きれいなイントロってどうなってますか? 特にビットクラッシュになっているところ。微細なことだけど、いろんなエモーションが重なっているみたいだよね! それと、より広範な質問。『R.Y.C』はリリース直後にパンデミックが発生したけど、それはあなたにとって新たな意味を持つようになりましたか? 個人的には、このアルバムのノスタルジーや憂鬱、そして青春というテーマと初期のロックダウンの日々が見事にマッチしていたと思っています。

Mura:ナードな回答:ポール・マッカートニーのベースをサウンドカードに直接ぶっこんで、Guitar Rigでベースアンプを鳴らしているよ。アーティファクトやビットクラッシュは、オーディオを11ビットに変換した時に発生するもので、このヤバいゲートヒスが手に入るんだ。ドラムも最高に楽しいよね。

広範な回答:間違いなく、『R.Y.C.』で遠くまでジャンプしようとしていたけど、まさか狙い通りのとこに行っちゃうとはね……

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Love you.ちょっとディープな話なんだけど。早くから大成功したことで、UKのプロデューサーのコミュニティから疎外されていると感じることはありますか? また自分自身のコレクティブを作ろうとは思いませんか?

Mura:<3 おもしろいね。変な話、僕は自分自身がどのシーンに所属しているかとか考えたことがないんだよ。実際イギリスの出身ってわけでもないしね……

親しい協力者や友人という形で自分自身の集団があることはあるけど、徒党のようなものを正式に作ろうとはあまり考えてないかな。境界線を引きたくないし、適応できる流動性が好きなんだ。

長年のファンだよ👋 歌う/録音する/ミキシングするなどのボーカルに関するtipsはあるかい?(自分はまだ始めたばかりで、正しいサウンドを作るのに行き詰まってるんだ :/ )

Mura:ヘイ、いいマイクとプリアンプに投資するっていうのが主なことかな。その上で、200Hz付近の低域をカットし、高音域を少しブーストして、いいコンプレッサーをかけて、ディレイとリバーブは控えめにすること。

一番いいのは、自分に合った方法論を見つけるまで練習することだよ。あと、賛否両論あるけど、Antaresのオートチューンはすべてのサウンドを最高にしてくれるよ……

「昔のMura Masaみたいな曲を作って」っていうプレッシャーとどう対処しているんだろう?

Mura:これはとてもいい質問。僕はいろんなものを作ってるからね。

古いものを楽しむことはいいことだと思うし、新しいものが自分に合わないと判断するのは構わないけれど、「もっかいやってよ」と言われるのはすごく気持ち悪い。

「ヘイ、8年前と同じ服で、同じ意見で、同じ人と遊べいいじゃないか」って言われるようなことだからね。

それって意味がないし、なんていうか、物事が動いて人が変わるということを軽視しているように思う。古いものが好きな人は大歓迎だけど、それ以上のものを期待するのは負け戦だと思うんだ。自分が興味あること、楽しいと思うこと、繋がりのあることを常にやっていくつもりだよ。

またCharliとコラボすることはある?

Mura:yessssss 数週間前に遊んだばっかだよ

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ドラムの処理でよく使うプラグインはある?

Mura:ないかな……いいサンプルから始めるってことが、この件に関する僕からの一番のアドバイスだよ。いいケーキはいい素材でできている >"<

個人的な感情を曲にするのは精神的に疲れますか、それとも癒しになりますか?

Mura:何をするにしても、自分の経験について書いているように思うよ。だからそれって創造的なプロセスの一部なんだって、僕は考えているよ :}

より早く、より生産的なプロデューサーになる秘訣はありますか? 私はよく、ループにハマって飽きて、アイディアを完成させることができないということがあります。また、プラグインの最終兵器はありますか?

Mura:時間をかけて気に入ったサウンドやサンプルを一箇所に集めて、再利用することを恐れないようにすること。必要になれば後からそれらを交換することだってできるし、インスピレーションを得た瞬間に素材にアクセスできることは、プロセスを素早く回転させることに役立つよ。

それに、アイディアに飽きたらやめればいいんだよ。当然のことだけど、ものづくりって楽しくてエキサイティングなはずなんだ。もし、その感覚を見つけられなければしばらく休んで、新しい音楽を聴いたり、インスピレーションを与えてくれるものを探したりすればいい。僕は去年6ヶ月間音楽を作らなかったけど、純粋に音楽から離れることでいいことがたくさんあったよ。

一番楽しかったプロジェクトについて教えてよ。あなたの作品が大好きで、今でも「No Hope Generation」をいつも聴いてるよ。

Mura:適切な答えじゃないけど、僕はいつも本当にすべての仕事を楽しんでやっているよ。楽しく刺激的な音楽じゃなければやらないし。思うに、これが正気を保って信頼できる作品を作るための秘訣だね。

それと、「No Hope Generation」を愛してくれてありがとう。

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Sam Gellaitryとのコラボキボンヌ

Mura:Sammyは彼自身のエネルギーだけで十分で、僕のことは必要でないんじゃないかな

新しいスタイルやジャンルのプロデュースを始めるときのプロセスはどのようなものですか?  大規模な研究段階を経るか、それとも自分が好きなことにすぐに飛び込むのでしょうか?

Mura:いい質問ですね。僕は、その作品がどこから来て、なぜ存在していて、なぜ素晴らしいのかということを理解できたと確信してはじめて制作に取り組む傾向があるよ。ただの愛好家にならないことが重要だと思うんだ。形式への敬意や本当の関与なしにスタイルからスタイルへと飛び移るだけだと、空虚な作品になっちゃうよね。僕は多くの場合、すでに好きなものや精通しているものに取り組んでいるよ。

あなたのファッションセンスが大好き。ショップやブランドやスポットについて教えて。

Mura:SSENSE、Dover Street Market、APOC、これらは新しいデザイナーの商品と触れることのできるいい場所だよ。もし高いものが難しければ、Grailedがほんとにいいよ。

でもファッションに限らず、地元のアーティストやデザイナーが作ったものを買うことをおすすめするよ。自分の街でクールなものを作っている人を調べて、彼らをサポートしよう!その方が楽しいからね。

あなたの音楽、空間に注意が向いている感じが好きなんだよね。特にヘッドフォンで聴くと、本物の3Dのフィールドが広がっているように感じるんだ。この音空間を実現する方法とは?

Mura:ベーシストだった父から「ベースは弾かないことの方が大事だ」と言われたことがある。

それをずっと覚えていて。なにかが欠けていることと、なにかが存在することの相互作用というのが、僕にとって音楽の最も興味深いことだね。

ワイ香水デビューしたて。今何をゲットすればいい?

Mura:gabar noII , 19-69 Chronic, Comme des Garcon Wonderwood, le Labo

himeraのリミックスで「Roblox」のSE使ったでしょ

Mura:はい

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「Less is more」派?それとも「More is more」派?

Mura:less less less less いっつもless。リダクショニズム

 

追記

Mura:さてみんな、1時間ほどタイピングをして頭おかしくなりそうだしちょうどスペースキーが壊れたところだから、この辺で終わりにするよ。ぼくの答えたいくつかの回答が、答えきれなかった質問のヒントになるといいね。ここにいる皆を心から愛しているし、ホストしてくれた r/electronicmusic に感謝します。新年にはもっと多くの音楽をリリースするよ。皆に聴かせるのが待ちきれないな。

kissessssssssss x

 

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おわり。野良のインターネッツ・インタビュアーたちすげ〜しMura Masa言語化能力もすげ〜。ユーモアのセンスが素敵。ちなみに僕が一番好きな曲は「What If I Go?(feat. Bonzai)」です。

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最後につくタイプの目次(索引として使って)

*1:Instagramリンクされていたが現在は失効されているので、ストーリーかなにかで投稿していた模様

*2:「2gether」2:28「You Make It Look so Easy (Ruined by Mura) (feat. Petal Supply)」0:45参照

*3:イングランドフットボール監督であるジョゼ・モウリーニョの言。日本で言うところの「これ以上いけない」(孤独のグルメ)的な使われ方をしている

*4:2015年時点で「Prophet8を買って今日は何も食べてない」とツイートしているのが味わい深い。なんせProphet 5は4,500$もするのである

*5:参照

*6:過去に靴のデザインを手掛けているとのこと。詳しくは分からないのでこの辺り訳出が不安

*7:たぶんこれ https://splice.com/sounds/splice/sophie-samples

*8:削除されており回答のみ残っている